事例で見る、漆喰の特徴

■はじめに

漆喰には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ただし、現代の住宅や工法のデメリットのように、人体に健康被害を及ぼすようなことはありません。住む人の健康を重視するのなら、漆喰を活用するメリットは大きいといえるでしょう。
ここでは、漆喰の特徴やメリットについてより理解を深めるため、実際に漆喰を活用した事例をご紹介します。


空気中の有害物質を吸着分解する効果がある

住宅メーカー、工務店が建てた家に引っ越すと、新築独特の臭いがして気分が悪くなることがあります。換気扇を常に回していないと住むのが難しい家もあるほどです。ホルムアルデヒドの数値は法律で定められた基準内に収まっていても、他の揮発性ガスが出ていることがあります。そのため24時間換気システムを付けて、有害ガスを室外へ排出しているのです。

一方で、漆喰を使った家を建てた人から「とても快適な住まいだ」、「とてもさわやかな気分になる」という感想を聞くことがよくあります。


【事例1】漆喰で新築されたご夫婦の事例

新築される前、奥様はアトピー性皮膚炎を患っていましたが、新居に移ってから症状は軽くなりました。かかりつけの医師から「もう大丈夫、良くなっている」と言われたそうです。


【事例2】マンションの室内の壁を漆喰で改装した事例

マンションの室内の壁を漆喰で改装された方のお話。改装したマンションへの引越しが済んで2~3日後には、「今までは朝起きるといつも頭が痛くて仕方なかったが、改装した現在の住まいでは頭痛がなくなった」と言われました。



漆喰には、アトピー性皮膚炎やシックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒトを吸収・分解する効果があると言われています。漆喰の働きによって、アトピーや頭痛などの症状が改善されるという事例は数多くあります。

漆喰は水酸化カルシウムで、これがホルムアルデヒドと反応し、分解すると考えられています。そのため、空気は浄化され、有害なガスが取り除かれるのです。

子どもの頃、親に叱られて蔵の中に入れられたら涼しく、さわやかな気持ちになったという体験談をしたことのある方もいるかと思います。漆喰は中国から伝来したものと言われていますが、昔の人は漆喰の性質を知っていたのではないでしょうか。


■消臭効果がある

漆喰には吸着・分解作用があり、家の中の嫌な臭いを有害なガスと一緒に除去する働きがあります。


【事例1】ペットの臭いが気にならなくなった事例

マンションで3匹の犬を飼っていた方が、壁と天井に漆喰を使った家を新築されました。マンション住まいの時は、室内にずっといると犬の臭いが気になることはありませんでしたが、外から帰って来ると犬の臭いを強く感じていたそうです。

当初は新築の家で空気清浄機を使うことを検討したが、コードを犬が噛んで感電死する危険性があるので断念。そこで、犬の臭い対策として壁や天井の材料として漆喰を使うことにしました。

天井と壁を漆喰で塗り固めたのですが、面積が広かったことと厚く塗ったことが消臭効果を大きくしたようです。犬は散歩する時以外はずっと家の中にいるのですが、臭いを意識することがなくなりました。家に訪れるお客さんも「犬の臭いを感じることがない」と言われます。

漆喰を活用する場合、できるだけ広い面積が空気に触れていると消臭効果が大きいようです。


【事例2】新築の家で室内を焼肉しても臭わない

建材に漆喰を使った家を新築して、密閉された室内で焼肉をしてみました。換気扇をオフにして焼肉をすると、当日は臭いが残っていました。ところが、翌日には焼肉の臭いはまったくなくなり、木の香りだけしかしなくなりました。

漆喰の脱臭効果がいかにすごいかが証明されました。


【事例3】トイレのリフォームで漆喰を活用

以前はトイレの壁と天井はビニールクロスで、トイレ独特の臭いがしていました。ところが、壁と天井を漆喰で仕上げてリフォームしたところ、トイレの嫌な臭いがしなくなったそうです。

漆喰を活用したリフォームで、トイレが心地よい空間へと変わりました。


■調湿機能が優れている

室内がビニールシートで包まれている状態の現代の住宅では、夏場には室内の湿度が高く不快になり、冬場には暖房をつけると窓に結露ができやすくなります。一方で、漆喰には室内の変化に応じて湿度を調節する働きがあり、湿度が高くなり過ぎたり結露が発生したりするのを防ぐことができます。



【事例】ペットが漆喰で施工した部屋を好む

漆喰でリフォームすることで室内の湿度が適切にコントロールされるようになり、人はストレスを感じなくなります。これはペットにも当てはまることで、漆喰の調湿効果で人と同じようにストレスは軽減されます。ペットの心拍数は人間よりも早く、吸い込む空気の量からすると当然のことでしょう。

ペットが長時間過ごす部屋を漆喰でリフォームを施すと、ペットはその部屋に長く居たがります。湿度が適切にコントロールされた人にとって快適な部屋は、ペットも安全で快適な場所と分かるのでしょう。ストレスを感じなければ、ペットは長生きすることができます。


■抗菌作用・殺菌力がある

漆喰には抗菌作用や殺菌力があり、カビやダニが発生するのを防止するだけでなく、病原菌の発生を抑制することができます。



【事例】病院の待合室と受付周りの壁に漆喰を活用

病院の待合室と受付周りの壁を漆喰で仕上げました。いろいろな病気を抱えた人が集まってくる病院では院内感染のリスクが高いのですが、漆喰の抗菌作用・殺菌力で感染のリスクを低下させることができます。

病院だけでなく、保育園や老人ホーム、介護施設などの壁や天井でも、漆喰が取り入れられることが多くなっています。体を気遣う人が集まるところで、自然素材である漆喰を内装の材料として活用することは理想的です。


■耐火性に優れている

現代の住宅は石油化学製品の建材を使ってあるため、火災の被害が大きくなりやすいのですが、漆喰は燃えない素材であり有毒ガスが発生することもありません。昔から防火目的で建材として活用されてきました。


【事例】防火目的で活用

漆喰は燃えない素材として、一般住宅のキッチンや飲食店の調理場で内装の材料として使用されています。一般の住宅だけでなく、マンションや集合住宅でもよく使われるようになってきました。

昔から土蔵やお城の壁は漆喰でできていて、火災の際に延焼するのを防ぐことを目的としていました。


■汚れにくい

現代の住宅は汚れが落ちにくいという特徴がありますが、漆喰を建材として使用すると汚れにくく、白さを長期間にわたって維持できます。


【事例】内装だけでなく外壁にも活用

漆喰で内装を仕上げた場合、数年経ってもそれほど汚れることはありません。室内が汚れていても漆喰の壁には汚れがつかず、白さを維持しているのです。内装だけでなく外装も同じように汚れにくく、白さを維持することができます。

お城を修復するのには漆喰を使うことが多く、壁や天守閣、瓦と瓦の継ぎ目などに使用されています。時間が経過しても汚れがつきにくく、修復された城が白く美しすぎると話題になることもあります。


■自然素材の上質感と心地良さがある

漆喰を使っている住宅では、ビニールシートの建材で施工した部屋のような息苦しさを感じることはありません。漆喰の作用により空気が浄化され、深呼吸をしたくなるほど空気がきれいになります。


【事例】飲食店や美容室で漆喰を活用

飲食店や美容室などの天井や壁に漆喰が使われ、心地良さと清潔感が溢れています。来店したお客さんは、ストレスを感じることなく快適な空間で過ごすことができます。漆喰の壁や天井が醸し出す趣と風格のある空間は、店舗の上質感をアップさせてくれます。


■まとめ

いかがでしょうか?今回は、漆喰の特徴やメリットについてより理解を深めるため、漆喰の活用事例をご紹介しました。それらを通して、その特徴と魅力が伝わったかと思います。漆喰を活用した建築やリフォームについて、検討されることをお勧めします。



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